99%の人が速くなる走り方

お世話になります。一本歯下駄トレーニングを学んでいます同志社大学みやのです。
今回は書籍から走りについてまとめていきたいと思います。

99%の人が速くなる走り方
平岩時雄

「走ることは全スポーツの基本」。この本の第1章のタイトルです。この本では速く走る走り方だけでなく、今まで多くの人がスポーツ(部活動)を通して経験してきた「走る」練習に意味づけをしてくれます。

多くの人が嫌々走っていたあの練習には少しは意味があったのです。また著者は「走ることは楽しいこと」と繰り返し伝えています。

罰としてや強制的に走ることが多かったかもしれませんが本来は走ることは楽しいはずです。正しいフォームで走れば楽に楽しく走れるはずです。この本を読んで速く走る感覚が掴めたら走るのが楽しく感じられるかもしれません。

しかしよくある「走る」練習では足は速くならないと著者は言います。よくある練習とは『グラウンド◯周!』や『100m×◯本』などです。つまり足を速くするためには「長距離走が得意になってはいけない」ということです。筋繊維は3種類存在し、速筋線維、遅筋線維、中間線維に大別されます。

この考え方に基づいて「長距離が速くなってはいけない」と論じているのですが、実際には多くの競技はトップスピードを何度も発揮したり、そのスピードをある程度の距離で持続したりするのでスピード持久力は確実に必要です。動員される筋繊維よりも、その運動で用いられるエネルギー回路の方が重要だと考えます。

エネルギー回路も大きく分けると3つに大別されます。それがATP-cp系、解糖系、有酸素系(好機的代謝)です。足が速くなるためにはATP–cp系が最も重要ですが、このエネルギー回路は10秒程しか続かないのでその後は解糖系が動員されます。

ATP-cp系は回復までに3〜5分程度と言われているため、球技スポーツなどではほとんど解糖系により運動しています。この解糖系を鍛えるためには、つまり何度もトップスピードを出し、それを持続させるには『100m×◯本』のようなインターバルトレーニングは欠かせません。

著者も解糖系の代謝産物である乳酸が疲労の原因ではないという点には触れているため理解されているかもしれませんが。。。

少し脱線しましたがこの本で書かれていることはどうすれば足が速くなるかです。陸上競技以外のスポーツではその時々でスピードが変化するので、短い距離で最大スピードを発揮することが大切になってきます。そのためには短い距離を走る練習が必要だということです。

さて、ここからその足が速くなる走り方について書きます。ここで大切なことは速く走る感覚です。想像力を働かせ、たくさんイメージしてください。

桐生祥秀選手やサニーブラウン選手、ウサインボルト選手になったつもりでトレーニングすると良いかもしれません。

陸上競技ではよく『地面を蹴るな、押せ』と教わります。しかし著者は蹴るのも押すのもよくないと言います。もちろん走り初めの加速局面では地面を押す必要があると述べていますが。

加速局面ではスピードを上げるために出来るだけ長い時間や距離で地面に力を加える必要があります。

そのため足で地面を押すことはアクセルになります。反対に、最大スピードに達してからは足の接地はブレーキの役割になると書かれています。そのため著者は「プッシュする」走り方ではなく、跳ねるような走り方「バウンシング(=トントン走り)」を提唱しています。「ゴルフボールが硬い地面で”ポーン”と跳ねる」ような感覚、「机の上でペンを垂直に落として真上に跳ね返る」ような感覚です。

つまり著者が言いたいことは、『最大スピードに達してからは、そのスピードを殺さないよう短い接地時間で、筋肉ではなく腱を使って跳ねるように走れ』です。これがバウンシングです。接地の際に”ぐにゃっ”と潰れないように、しかし筋力だけに頼らず、トントン跳ねる感覚が大切です。この本ではバウンシング練習のための動画のURLが付いています。とても参考になりますが、1点だけ気になったこと、注意していただきたいことがあります。それは接地の際に足を地面につけに行かないことです。自然に落下して自然に跳ね上がる感覚が大切です。

次に著者が主張することは一生懸命に膝を高く上げようとすると逆に上手く走れなくなる。「ヒザは勝手に上がる」ということです。これも先程のトントン走りと同じ原理です。足を着いたら勝手に膝が上がる感覚です。

ここで補足を加えると、膝が上がるのはこれに加え反射により勝手に上がるのです。足が地面について踵に体重がかかると勝手に逆足の膝が上がります。また、きちんと地面を踵で押せると、それにより腸腰筋群の伸張反射により勝手に膝が上がります。走り方が上手い人、走り方が楽そうな人、軽そうな人はこのようにして走っているのです。最初は速くなくてもいいので、著者が提唱するバウンシング、トントン走りの感覚が掴めて、その感覚のまま走れるようになることが大切です。

最後になりましたが、ここに書いた内容は本の内容の一部分です。これ以外にもスタート、加速について、著者が指導なさったプロ選手のお話、人の性格のタイプについて、足と靴についてなど色々なことが書かれています。その中でも著者は「走ることは楽しいこと」ということを1番伝えたかったのだと思います。

上手な走り方を知れば走るのが速くなり、より良い走り方を模索するようになる。このプロセスが面白いのです。著者もそのようにあとがきに綴っておられます。この本をきっかけに、今まで嫌いだった『走る』ということが少しでも興味深いものに変わると思います。

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